今年も橙色にも近い黄色い小ぶりの果実がたわわと実り、柑橘類特有の甘酸っぱい匂いが冷たい風に乗って利用者の鼻をくすぐります。
ムクドリも匂いにつられ、果実をくちばしでくわえて持って行く姿を度々目撃しました。
程良く酸味が利いた甘いキンカンの実を収穫して、環境整備のメンバーさんで綺麗に種を取って、キンカンの甘露煮に挑戦してみました。
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| 鍋から今でも溢れそうなキンカン |
実の中に残っている種と慣れない灰汁取りに苦戦しつつも、クツクツと煮込んだキンカンの香りが借りたキッチンに広がり、柔らかくなっていく果実を見て「すごい」やら「美味しそう」などの声で賑わいました。
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| ケーキの生地に練りこまれたキンカンの存在感 |
わたげの利用者や職員に味わって貰おうと、できた甘露煮を使ってパウンドケーキにして皆様に振る舞いました。
皮の苦味が少し残った甘く煮込んだ甘露煮がゴロゴロ入った金柑色のパウンドケーキは、「美味しい」と好評を頂き大変喜ばしいお言葉を貰いメンバー達は感無量でした。
今年の金柑は豊作で、始めての甘露煮はとても余りました。
なので、今度は甘露煮を更に煮込んでジャムに加工し、ホイップクリームと一緒に挟んだ「きんかんクリームパン」を作りました。
パンに切れ込みを入れたり、クリームやジャムを絞る作業に四苦八苦し。沢山の試作を作って悪戦苦闘しつつも完成にこぎつけ、二回に分けて内部向けに販売を開始。
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| きんかんクリームパン包装作業の一幕 |
一回目は22本、二回目は30本。合計52本のきんかんクリームパンは、瞬く間に完売。
売り始める前から待って下さった方もいれば、２～３本も買ってくれたお客様もいらっしゃいました。売れ切れを知って残念がっていたメンバーや職員も多数いました。
最初は「本当に売れるのかなぁ・・・？」と、パンと睨めっこしつつ販売を始めたら、「買うから待って～」「いつ売るの？」などの声があちらこちらで飛び交い、完売した瞬間は驚きを超えて「本当に売れたんだぁ・・・」と妙な呆気なさを抱きつつ歓心。
約2ヶ月の短い期間でしたが、庭に実ったキンカンの実。それを加工して販売をするという、環境整備の新しい試みは想像を上回る成果を残したと思います。
協力してくださった方、買って下さった方々に感謝です。
ちなみに、意外と知らないキンカンの花言葉は「感謝・思い出」
まさに今回の試みに協力してくれた人、パンを買ってくれた人に相応しい花言葉ではないでしょうか？
勿論、新しい試みに挑戦した環境整備のメンバーにも。
