2015年8月6日木曜日

きょんのカフェブログ 第3話     ~Open?or Close?

新しく店を開店することで、何をしていったらいいのか?

まさに「手さぐり状態」の中、
メンバーが一番、真剣に話し合ったことに、
「オープン・クローズ」があった。

この言葉、私は初めてそこで聞いたのだが、多分一般的には、
店の開店・閉店時間の話?という解釈をしがちだが、
このような施設では違うことを意味する。
要するに、「病気・障害があることを、外部に伝えるか否か」なのだ。

そもそも「誰のための店作り」なのか。
焦点はそこである。

「店」ではあるのだが、あくまで私たちの「作業訓練の場」であることを忘れてはいけない。

そこで、二通り共、どういう考えで、どうなるかを考えた。

『クローズにする場合』
☆理想ではあるが、不安もある。
☆病気・障害があることが、甘えにつながる。(甘えない方が自信につながる)
☆一般のカフェと勝負ができる。

『オープンにする場合』
☆病気・障害の程度、関係なく、みんなでできる。
☆ハードルが高く感じなくて良い。
☆福祉事務所がやってるのに、隠す必要はない。
☆「メンバーのためのお店である」ことを考えると、オープン。。。


集まったメンバーは、真っ二つに分かれ、理想・考えの極端な違いと、想いの温度差を感じていた。
病気・障害の度合いがみんな違うのだから仕方がない・・・・


そんな話し合いをしてる時期に起きた、ある出来事がある。
私はその時、事務所で追いつかないパンを入れる袋作りに追われていた。

パン屋のレジに、メンバー一人とスタッフ一人が立っていた。
ある男性が一人、来店するなり、スタッフとメンバーを一人一人指さし、
「お前はメンバーか?スタッフか?」と問いかけたのだ。
突然の出来事に、メンバー」は黙り込んだが、スタッフは機転を利かせ、
自分もメンバーも「スタッフです」と答えた。

何故だろうか?
「スタッフ=職員(健常者)」「メンバー=障害者」という内部情報を、その男性は知っていたのだ。

たまに女性客にもいる。
「このパンは、そこに見える工房でこねたもの?障害者がこねたんでしょ?やだ、買わないわあ。うつるだろから食べれないもの~」
とわざわざ言いにくる。
ごくごく一部の一般の人たちなんだろう、
そうあって欲しいが
たまに起きてしまう現状だった。


途中で事情があって退所するメンバーもいるのだから、
今ここで決めなくてもいい。
店がオープンした時点でいる人たちに任せたらいいんじゃないか?
という意見もありつつ、この件は決定せずに、
ずーっと頭で考えながら
カフェ開店当日までの持越しになった・・・・

結論からいくと、
今現在、
カフェにある、各テーブルには
「オープンにした」札がささっているが、
これは、カフェが開店した当初は無く、
かなり月日が経ってからのことになる。

posted by きょん